破損させた陶器の修理方法と接着剤

陶芸

お気に入りの食器や壺などの陶器製品を壊してしまった場合、その修理方法がわからずに困ってしまうケースは少なくありません。

陶器は粘土で作られていますが、割れた面に見える微小な気泡が水分を吸収するので水糊や木工用ボンドでは綺麗に固めることができません。気泡が接着剤の水分を吸い取ってしまい、接着効果が無くなってしまうためです。そのため壊れた陶器を接着剤で直す場合は水分が吸収されない物を選ぶことが大切です。

陶器専用の接着剤は乾燥するとゴムのような形状になるので、割れた部分にしっかりと食い込んで剥がれにくくなります。乾燥した接着剤は水を弾くので、食器や壺は本来の用途を維持することが可能です。

壊れた陶器を直す方法については古くから金継ぎという方法が行われていました。金継ぎは漆を接着剤として用いる修理方法で、漆に金品を混ぜることで見栄えを良くすることからその名前で呼ばれています。漆は粘着力が非常に強く、乾燥すると水に溶けないので陶器用の接着剤には最適な素材です。
金品は高価なうえに装飾以外の用途はありませんが、漆を接着剤として使う陶器の修理作業は日曜大工の一環として行うことが可能です。天然素材で陶器を直したい人には漆由来の陶器用接着剤を使うのが最適な方法になります。
ゴム系の接着剤と比べると結合する力がやや弱い欠点はありますが、自然な仕上がりになるのが大きな魅力です。